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Crescent~小さくても光を受けている。きっと誰かに愛されているから~

本や子ども、聖書のこと、日々の徒然を書きます。トップの画像はその時々で変わります。

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『その日のまえに』

重松清さんの小説を初めて読みました。『その日のまえに』という本です。




短編集ですが、すべてが最後の3部作につながっています。最後の3部作は読みながら、涙が後から後から流れてきました。
1篇以外は死にゆく愛する人を見守る家族からの視点で書かれています。淡々と書かれています。だからこそ、なおさらに心に染みこんでくるのかもしれない。

心に残った言葉を3カ所転載します。

息子が生まれてまもなく父親を亡くした母一人子一人の家族。その母親が癌宣告を受けた息子の言葉。

母ちゃんがいて、俺がいれば、世界中どこでも「わが家」になるのかもしれない――たとえそこが、病室であっても。


お盆の花火のキャッチコピー(考えたのは、友人を癌で亡くした男性)

お盆の花火。それは大きな迎え火です。ふるさとを出て行ってしまったひと。会いたくてもなかなか会えないひと。もっと遠くの世界に旅立ってしまって、もう二度と会えないひと。・・・・・・そんなひとたちをしのんで、夜空に大きな迎え火を焚きたいと思っています。


癌で亡くなった妻が夫に遺した手紙(亡くなって3ヶ月後に手渡される。何回も書き直した手紙)。そこにあったのは、一言だけ。

忘れてもいいよ


特にこの「忘れてもいいよ」には涙が止まりませんでした。
この言葉を読んで思い出したのが、三浦綾子さんの『道ありき』に書かれていた次の一節。

(三浦綾子さんは三浦光世さんと出会う前に、前川さんという恋人がいましたが、肺結核で35歳で召天。その彼が綾子さんへ宛てた遺書。)

「綾ちゃん お互いに精一杯の誠実な友情で交わって来れたことを、心から感謝します。綾ちゃんは真の意味でわたしの最初の人であり、最後の人でした。綾ちゃん、綾ちゃんは私が死んでも、生きることを止めることも、消極的になることもないと確かに約束して下さいましたよ。
-中略-
決して私は綾ちゃんの最後の人であることを願わなかったこと、このことが今改めて申述べたいことです。生きるということは苦しく、又、謎に満ちています。妙な約束に縛られて不自然な綾ちゃんになっては一番悲しいことです・・・」



生きている以上、私たちはみんな誰もが「その日」を迎えます。それまでの当たり前の平凡な日常は、本当は輝いているんだっていうこと、忘れないでいたいって思います。
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| | 19:40 | comments:8 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

おはようございます!

きました~ つ~んっと

何気なくボサっと生きてる自分に、活が入ったようです。

日常が一番大切で、日常を一番好きにならないといけないと
気付かせていただきました、

ありがとうございます。

| ダリルジョン | 2018/08/17 06:12 | URL |

Re: おはようございます!

ダリルジョン様

たまにこういう本を読むといいのでしょうね。
平凡な毎日が一番なのでしょうが、そういう毎日ばかりだと、惰性に陥ってしまいやすい。
そんな時にこういう小説は、日常の大切さを思い出させてくれる。

小説もやはりいいもんですね。

| 愛希穂 | 2018/08/17 18:55 | URL |

ぼくも読んでみようと思っています。だって「心に残った言葉」を読むだけでじーんときてますから(笑)

| クリボー | 2018/08/18 04:52 | URL |

クリボー様

ぜひ読んでみてください。この小説、映画化もされているようです。

| 愛希穂 | 2018/08/18 08:24 | URL |

帰り道 図書館に寄りましたらこの本ありました!ただいま読み始めてます(笑)

| クリボー | 2018/08/19 16:14 | URL |

クリボー様

紹介した本を読んでもらえるのって、とても嬉しいです。
今頃、泣いているところでしょうか?

| 愛希穂 | 2018/08/19 19:04 | URL |

先程 読み終わりました。後半部分を仕事帰りの電車で読み始めたらもっと読みたくなり、マクドナルドに寄り読みはじめたら この本から離れることがきず読みきってしまいました。いま家に帰ってから余韻にひたっています。素晴らしい本を教えてくださってありがとうございます。「忘れていいよ」のところでは マクドナルド内でしたがグッときてしまい、困りました。あと子供がママの病気について「ちゃん教えてくれよ」と怒ったところも…。素晴らしい本を読んでいる時って、なんて貴重な時間なんでしょう。人生が豊かになったような気がします。ほんとにどうもありがとう

| クリボー | 2018/08/20 21:10 | URL |

クリボー様

こちらこそ、読んでもらえて嬉しいです。
「忘れていいよ」は、心にしみますよね。奥さんの思いが、深い思いがその言葉に凝縮されていて、どんなにだんなさんを愛しているか、どんなにもっと生きていたかったか、そういうのが伝わってきて、そして、そんな奥さんの思いが美しくて、心にグッときますよね。

このあたりをマクドナルドで読むとなると、確かに困ります。家なら気にすることなく泣けますが、外でとなると、難しいです。

こういう美しい小説を読むのは、やはり必要だと思います。日常生活で積もったあれやこれやを洗い流してくれるというのか、姿勢を正されるというのか、ちょっと立ち止まってみてごらん、って教えてくれる感じがします。

| 愛希穂 | 2018/08/21 18:17 | URL |















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