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「存在のない子供たち」

 帰省した折、観たかった「存在のないこ子供たち」を観ました。四国では上映がないのです。
 収容人数120人ほどの会場がほぼ満席でした。

 この映画に出演いている人は、ほとんどが監督が偶然見出した人たちで、演じるのはこの映画が初めて。でも、皆が同じような境遇を生きてきた人たち。この出演者の略歴が公式サイトに書かれていますが、それを読むだけでも辛くなるし、泣きそうになります。

 主人公ゼインの叫びが思いが、心に突き刺さってきました。

「僕を産んだ罪」と両親を訴えるゼイン。
「生まれてこなければよかった」と言うゼイン。
そして、
「世話ができないなら産むな」と叫ぶゼイン。

 ゼインをここまで追いつめた両親は間違っている。でも、両親もまた被害者。
 どうして、そんな社会になってしまったのか。

 ゼインが生まれ育った環境はあまりにも過酷なもの。両親には「お前なんか生まれてこなければよかったんだ」となじられる。11歳の妹が無理矢理に結婚させられたのがきっかけに、ゼインは家を出る。そんなゼインを助けたのは、不法滞在で働く女性。ゼインはその女性の子ども(赤ちゃん)の世話をする。でも、母親は不法滞在で逮捕され、ゼインと赤ちゃんは何も知らずに母親の帰りを待つ。

 待っている間、ゼインが赤ちゃんを必死に世話をする姿に心が揺さぶられます。どうしてそこまでゼインはするのか。
 自分は両親とは違うだって、自分より弱い者を絶対に見捨てないという覚悟?
 12歳のゼインには言葉にはできないけれど、人としての尊厳を守り抜くんだという覚悟?
 私がゼインの立場になったら、私はどう行動した?


 映画の最後で、ゼインが笑顔を見せるんです。その笑顔が本当に素適で、その笑顔に、涙が止まりませんでした。

 あと、赤ちゃん役の子どもがとってもかわいいんです。

 映画については、こちらの評論が参考になります。(引用元はこちら「映画.com 映画評論」

「存在のない」少年の告発のまなざしは、すべての大人に向けられている

この映画には、二種類の「存在のない子供たち」が登場する。12歳の少年ゼインの場合は、両親が出生届を出さなかったから。赤ん坊のヨナスは、母親のラヒルが不法移民だから。どちらも法的に存在していない。そんな二人が肩を寄せ合って生きる。家出してラヒルに拾われたゼインがヨナスの子守りをしていたとき、ラヒルが警察に拘束され、帰れなくなったからだ。氷と砂糖をミルク代わりに与え、懸命にヨナスの面倒を見るゼイン。12歳の弱者が、より幼く弱い者をかばいながらサバイバルする姿に、胸が痛まない人はいないだろう。

しかし、この映画の根底に流れるのは、そうした状況から醸し出される感傷ではなく、そうした状況を生み出す大人たちに向けられた怒りだ。その怒りの矛先は、まず子供を労働力としかみなさず、愛も教育も与えないゼインの両親に向けられる。そして、親たち(彼らもかつては存在のない子供たちだったのだろう)を、そんな大人にさせた社会に対しても。ゼインが両親に向けて放つ「世話できないなら産むな」という告発は、世話されない子供たちを放置している社会に向けられた言葉でもある。弱者の視点から社会問題をえぐる。そこに、この映画の芯の強さがあり、共感の源泉がある。

実際、劇中で扱われている社会問題は、少女の強制結婚、子供の人身売買、不法移民など、日本にはなじみの薄いものが多い。それにも関わらず「他人事」に思えないのは、育児放棄や虐待のニュースが後を絶たない日本の現実と呼応するドラマでもあるからだ。ゼインは、「生まれてこなければよかった」という理不尽な思いにかられながら生きている世界中の子供たちの代弁者だ。彼の告発のまなざしは、「生まれてきてよかった」と言える社会を実現する責任があるすべての大人に向けられている。

ゼイン役のゼイン・アル=ハッジは、レバノンに逃れて来たシリア難民。過酷な日常をたくましく生き抜きながらも、自身の非力さと限界に突き当たり、涙する場面が切なさをかきたてる。彼を筆頭に、ほとんどの出演者は役柄と似た背景を負っているという。

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| 世の中のこと | 19:42 | comments:6 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

言葉が・・・。

どうしてでしょう・・・。
今日が 8月7日だからかな?
昨日が原爆記念日だったこともあると思いますが・・・。

蛍の墓を思い出してしまいました。
親からの対応は 全く違いますが・・・。
まだまだ 保護される子ども達が 大人の都合で 過酷な世界へ投げ込まれ大切な命や尊厳を踏みにじられる。

>彼の告発のまなざしは、「生まれてきてよかった」と言える社会を実現する責任があるすべての大人に向けられている。

ほんとに その通りですね・・・。
平和で ある程度でも 満たされた世界に生きていれば きっと そんなひどい言葉を我が子に向ける事もなかったのでは・・・。
あまりに過酷な現実。
子ども 守れる国でなきゃ・・・。
その為にも 二度と戦争しちゃいけない。
不法移民を出すような国策させちゃいけない。

貧しかった日本でも 人身売買はあったこと。
少子高齢化で 国力がじわじわじわじわ 下降していく日本。
そんな過酷な国にしてはいけませんよね。
そのためにも選挙に行って ちゃんと自分たちの権利を守っていかないと・・・。

決して遠い外国の話じゃない。
ほんとにそうだ!
すべての責任は 大人がちゃんと背負わねば・・・。
そんな気持ちで 読ませていただきました。

| アンパンウーマン(MGかーさん) | 2019/08/07 09:22 | URL |

アンパンウーマンさん

誰もが「生まれてきてよかった」と言える社会であってほしいです。
だけど、現実はそうとは言えない。その責任を負っている私たち大人は一体何をしているのか・・・。

ゼインのような境遇に追い込まれるのは、ほとんどがその国の社会情勢の故で、戦争なのだと思います。
戦争なんて子どもなら、なおさら望んでいないのに、一部の大人の身勝手で始めた戦争で、一番弱い立場の子ども達が一番被害を受ける。

そして戦争が起こっているのは、そんな境遇にない私たちの無関心がきっかけなのではないかと感じます。

今すぐには変わらないかもしれないけれど、子ども達に、よりよい未来を残すために、為すべき事を為すのは大人の責任。
そのためにも、投票に行って、こんな社会を作り出している人たちを追い出さなければいけないのに。


こういう映画はもっと広く上映されてほしいです。

| 愛希穂 | 2019/08/07 19:18 | URL |

おはようございます!

私たち大人が、「生まれてきてよかった、、」と
そう思っているのか?と、映画COMの解説で感じました、

自分ののことばかりで生きているこの世の中、
子供達がこれから大人になりたい!と思いませんよね、
未来を気にしていません、
期待もしなくなってきているのかな、

日本は恵まれています、
いや、世界に比べると恵まれすぎている人が多数でしょう、
困難な境遇にいる子供もいると思いますが、

こういう映画は、ニュースで取り上げるべきものですね、
最近、ニュースを観ていても、
クダラナイ・ドウでもいい報道、やったやられた、
騙した騙された、そんなニュースばかりです。

もっと楽しく明るくなる、報道情報メディアであって欲しいものです。

| ダリルジョン | 2019/08/08 04:12 | URL |

ダリルジョン様

今は「生まれてきてよかった」と思いますが、ゼインのような立場に置かれたら、そうは絶対に思わないでしょう。

子どもが「生まれてこなければよかったんだ」と思ったり、未来に希望をもてなかったり、大人を信じたりできないような世の中を作ってはいけないのに、どんどんそんな世の中になっていっているように感じます。

ゼインの両親ほどではないけれど、その振る舞いから「子どもの世話をしたくないのかな」って感じられる保護者は結構います。余裕がないのもあるかもしれませんが、まずは子どもより自分。子どもは上手く言葉にできないかもしれないけれど、ゼインのように「世話ができないなら産むな」って、叫びたくなる子どもは、私たちが思っているよりも多くいるのかもしれない。


こういう映画がもっと広く上映されてほしいです。昨今目にする本当にくだらない放送はもういいから。本当にくだらないですよね。くだらないけれど、視聴率が取れるから放送するのでしょう。それが今の日本の民度なのでしょうか。

| 愛希穂 | 2019/08/08 18:55 | URL |

観てきました

こんばんは。
触発されて観てきました。
子供なんだけれど、もう大人として生きている!
大人以上に大人であり、ゼイン君のあの目は、大人の世界を見透かしており、けれど、彼はまだ自分の人生を諦めていなくて、強い意志を持って、そして、行動力がありました。
最後のあの笑顔は何と言っていいやら、切ないやら、良かったねと言っていいのか・・・。
気になってはいたのですが、愛希穂様に後押しされまして、観て来たんです。
いい映画をありがとうございました!

| ゆきんこ | 2019/08/14 20:22 | URL |

ゆきんこ様

ご覧になったのですね。嬉しいです。

ゼイン君、演じている本人も同じような境遇にあっただけに、演技だけでなく、「僕たちが置かれている事実をちゃんと見て」と訴えているんだと感じました。

最後のあの笑顔には、良かったねって言ってあげて言いように思っています。
証明書が発行されて、すべてが良い方向に変わるわけではないかもしれないけれど、でも、新たな人生へのスタートラインに立てたわけで、それも諦めずにああやって生きてきた結果だから。
その過程はあまりにも辛くて、切なくて、苦しいことが多かったけど。

近くで上映されていたら、もう一度観たい映画です。

| 愛希穂 | 2019/08/15 10:50 | URL |















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